DVDコレクション

愛人(ラマン) 無修正版
● レオン・カーフェイ、 ジャン=ジャック・アノー、 アルノー・ジョヴァニネッティ、 メルヴィル・プポー、 マルグリット・デュラス、
仏領インドシナで支配者側であるが貧しい白人の少女。被支配者側であるが裕福な中国人。出会ったときから複雑な感情が交錯する。「愛する」ということをまだよくわからないうちにつかの間の逢瀬を重ねる少女。若い白人女性のしなやかな肢体にのめりこむ男。「お金のため」であると考えようとする少女。「中国人は嫌い」であるという少女。困惑する男の顔を見つめる少女。「中国人は処女としか結婚できない」という男。  ベトナムを離れてフランスに帰る船の中で、二人が重ねた濃厚な時間を振り返る少女。そして、もう失ってしまった時間にこそ、本当の愛があったことに気づく。マルグリット・デュラスとジェーン・マーチの演じる二人の姿が重なります。
シャンドライの恋
● サンディ・ニュートン、 デヴィット・シューリス、 クラウディオ・サンタマリア、 ジョン・C・オイワン、
アフリカの熱い大地から夫の投獄をきっかけに白人社会に住み込みメイドとして働きながら学校に通うシャンドライ。反体制・反政府の主義・主張を掲げた瞬間、いとも簡単に人間が投獄される東南アジアの国やアフリカの国々の現状と重なります。その後、住み込みメイドをしながら力強く生き、いつか夫の釈放を願いつつ日々の暮らしを精一杯つづけていく。遠いアフリカから来た女性を、愛情を持って見つめる白人の音楽家。彼女を思う狂おしいほどの気持ちをストレートに表せない彼は、シャンドライの夫が、遠くアフリカの地で投獄されていることを知る。彼の愛情表現は、自らの家財道具、最後には音楽家である彼が最も大切にしていたピアノまで売り払い、シャンドライの夫を助けようとします。一方、シャンド!ライは音楽家の不器用な愛情表現を最初は恐る恐る、やがては心から受けて留めます。そして、音楽家の努力によって夫が釈放されたとき、実はシャンドライは音楽家の全てを受け入れたとき。。。  あまりにも切なく、悲しく、狂おしい。実は決して遠い国の出来事ではなくアジアにも同じような話があります。ふっと感情移入し、涙する作品でした。
薔薇の素顔
● ブルース・ウィリス、 ジェーン・マーチ、 ランス・ヘンリクセン、
「ラマン」で鮮烈なデビューを飾ったジェーン・マーチがどのような演技をしているのかがとても気になって見ました。多重人格者のドラマとしてはそれなりに面白いのですが、「なぜ?」、「どうしてここで?」という感じがします。このような作品はストーリーに触れない方が良いのだと思いますが、 ジェーン・マーチという素材を活かしきれていないと思います。サイコ・サスペンスとしては良い出来なのかもしれませんが、アメリカ映画の大雑把な味わいだけが残りました。
夏至 特別版
● トラン・ヌー・イエン・ケー、 グエン・ニュー・クイン、
ベトナム女性の官能が映像の隅々から伝わってきます。監督がベトナム出身とはいえ、はっきり言ってフランス映画の視点だと思います。濡れる黒髪、そして雨や緑の中からもれる日差しに照らされる女性たちから香り立つ美しさ。 また、日本人からみれば、危ういほどに接近した兄と妹の関係・・・。しかし一般にアジアでは兄弟姉妹、親子の関係は日本人が想い測るよりはもっと近しい関係であることからすれば、それも当然なのかもしれません。 ハリウッド映画的なダイナミックな映像を好まれる方からすれば、少々退屈してしまうかもしれませんが、濃厚なアジアの官能を堪能できる映画だと思います。
青いパパイヤの香り ニューマスター版
● トラン・ヌー・イェン・ケー、 リュ・マン・サン、 グエン・アン・ホア、
ベトナムの少し余裕のある家にお手伝いさんとして勤め始める少女ムイ。いろいろな経験を積み重ねていき、美しい大人になっていく・・・。監督は大人になったムイを描きたいために、子供の頃があったのではないかと思わせるくらい、成長したムイへの視点が優しいように思います。 額に汗して働くムイの、ふっと見せる表情になんともいえない少女から大人への移り変わりと、アジア女性の官能を感じさせます。
髪結いの亭主
● ジャン・ロシュフォール、 アンナ・ガリエナ、 ロラン・ベルタン、
主人公が子供の頃からあこがれた床屋の女性。体臭・シャンプーの香り・コロンの香りなど、映像の隅々から香りがあふれているように感じます。そして、主人公が立派なおじさん?になった後、街角で長年夢に抱いてきた理想の床屋の女主人-マチルダにであったとき、彼の長年の夢は一気に現実のものなったのでしょう。  マチルダと主人公の間に流れる、他者を拒絶した、まったりと濃厚な時間。たった二人の濃縮された時間が流れていく中で、主人公は至福の時を味わったのではないでしょうか。きっと短かった二人の生活だと想いますが、もう人生の一生分過ごしてしまった主人公が、一人残され、そしてその甘く、甘く、甘美な時間の思い出だけで生きていけるのではないでしょうか。
イヴォンヌの香り
● イポリット・ジラルド、 ジャン=ピエール・マリエール、 サンドラ・マジャーニ、 リシャール・ボーランジェ、
レマン湖のほとりでの一夏の大人の熱情が、運命の女-Femme Fataleを捜し続けなければならない人生へと誘ってしまったようです。避暑地で繰り広げられる優雅な娯楽の数々と、二人の激しくも儚げな情交の織りなす官能が、ゲイの老人をうまく間にはさみながら際立っています。 イヴォンヌを演じたサンドラ・マジャーニを追い求めていろいろ調べてみましたが、本作品しかみつかりませんでした。私もまるで「イヴォンヌ」の香りを追い求め続けるヴィクトールになったかのような気分です。
フェリックスとローラ
● シャルロット・ゲンスブール、 フィリップ・トレトン、 アラン・バシュング、 フィリップ・デュ・ジャネラン、
DVDを購入してから随分寝かしてから拝見しました。ルコント監督の作品は大好きでほとんど見てきました。一貫して、Femme Fataleを追い求めているかのような監督の絵作りが大好きです。 ときにはミステリアスに、ときには即物的に、ときには熱く、男女の濃密な時間と、ちょっと突き放したような、なんともいえない「放置プレイ」のような時間の紡ぎ具合がたまりません。ローラのミステリアスな行動、振る舞い、そのメイクから与えるイメージ。。ルコント監督の作品は、男性がいつも閉じた環境に身をおき、そして外からやってきた女性に心惑わされる作品が多いように思いました。 ルコント監督はシャルロットゲンズブールの新しい側面を引き出し、そして、ルコント色に染め上げたように思います。他のシャルロットの作品をあらためてもう一度見直したくなりました。
世界でいちばん不運で幸せな私
● ギョーム・カネ、 マリオン・コティヤール、 チボー・ヴェルアーゲ、 ジョゼフィーヌ・ルバ=ジョリー、
"Cap ou pas cap ?"から始まる二人のすれすれ違い人生。。お互いの愛を確かめ合うことをゲームに置き換えたのが悲劇の始まり。人生に何度か互いに素直になれる機会があったにもかかわらず、お互いが素直に、正直になったときは映画の終わりです。 邦題の「世界でいちばん不運で幸せな私」というタイトルからは想像もできないストーリーでしたが、フランス映画独特の会話展開、監督がイラストレーターもしているということで独自の映像美がとても楽しめます。 こんな二人のような人生を送ってきたことも、そしてこれからも送ることは決して無いでしょうが、ちょっと倦怠感の訪れている大人のカップルにぜひ見ていただきたいと思いました。